アゲハ蝶

昨秋 庭のさんしょの木の葉にいたあげは蝶の幼虫を見つけて大きくなるのを楽しみにしていましたが、
さんしょの木の葉が食べつくされて 気の毒になり、幼虫の好みのみかんの苗を買ってきて
幼虫を移し、寒くなったので屋内の日当たりのいいところに置いて
ずっと育てていました。

あげはの幼虫は無事さなぎになって、冬越しをしましたが
5ヶ月くらいたっても全くさなぎに変化がなかったので あきらめていました。
ところが今朝カーテンを開けた時 さなぎを見て びっくり!
さなぎが空っぽになっていました。

もしやと思い近くを見渡すと なんと美しいあげは蝶に羽化していました。
もうとても嬉しくて しばらく見とれていました。
思いついて砂糖水でしめらした綿花を近くに持っていくと
ピョンと飛び乗りツツ~と吸っていました。
しかし まだ弱弱しくて羽を閉じることさえできずにいたし、
翌朝は冷え込みがきついと聞いていたので
一日そっと静養させてから 放そうとそのままにしました。

翌朝気温が上がってから窓を開け あげは蝶を放そうとしましたが
なかなか飛び立ちません。
手を近くに持っていったら又ピョンと乗ったので
満開の桜を見ながら空にしばらく手をかざしていました。
まるで手乗り文鳥のようで 虫というより ペットのような気持ちを抱いて 別れを惜しみました。
柔らかな風に誘われるように あげは蝶はひらひらと桜の木へと飛んでいきました。

本当にありがとう。温かな気持ちにさせてもらった。
元気に花の中を飛び回ってね。